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『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』(青野慶久著、PHP研究所)読了

青野慶久著『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』を読みました。

 

 

グループウェアで有名なサイボウズ

代表取締役である青野氏。

ネット上ではたくさん発言されていますが、

意外と著書は少ないんですね。

 

ご自身でも育休を3回取ったり、

夫婦別姓で裁判を起こしていたりと

ユニークな社長さんです。

 

普段からすごく共感できるお話が多いので

ずっと読みたいと思っていて

ようやく読めました。

(個人的には夫婦別姓も賛成です)

 

「社員を我慢させて働かせる仕組み」。

なるほどなぁと思いました。

 

我々の世代は

(と、一括りにしていいのかわからんが)

バブルの恩恵も全く受けず

社会人生活のほとんどを不況下で

過ごしている世代です。

 

なので、

初めから会社に何も期待していないよ

という人は多いと思います。

少なくとも、私はそのうちの一人です。

 

でも、もう少し上の世代、

いま、世の中の大半の企業の中枢にいる

50~60代の方々の多くは

その事実に気付いておらず

(気付かない振りをしているだけかも)

また、理解しようとしません。

 

「最近の若者はすぐ辞める」のは、

やる気がない、根気がないのではなく、

うちの会社では

楽しく働けなかっただけなんですよ

と、何度言っても

変わろう/変えようとしてくれません。

 

この本は、そういう中高年の皆さんにも

読んでもらいたいなぁ。

 

「こういう考え方を持って働いている

 若い人たちが増えてきてるんだな」

と、中高年の世代に知ってもらい

少し意識してもらうだけで

日本の社会は変わっていくと思います。

 

もう一つ。

この春に入った新入社員の多くが

電話応対と取り次ぎの研修をやっています。

いまだに。

 

彼らの中には

自宅に掛かってくる電話すら取ったことない

家に固定電話がそもそもない

っていう人も多い。

 

もちろん、会社内にいる事務職の人は

最低限の電話応対のマナーを

身に付けておく必要はあります。

会社の固定電話はなくならないですからね。

 

ただ、ここ20年の携帯電話の普及によって

電話は、代表番号にかけるものから

個人にかけるものに変わりました。

 

例えば、外回りをする営業職が

知らない人からかかってきた電話を

他人に取り次ぐ機会なんて

恐らく、この先ほとんどないでしょう。

 

加えて

「呼び出し音2コールで取る」

なんて、携帯電話では不可能に近いし

 

「ただいま席を外しております」

に、ならないために携帯電話があるし

 

身内の人間だからと

新入社員が社長を呼び捨てにするなんて

そっちの方が違和感あるし

 

こんな、前時代的でよくわからない

礼儀やマナーなんて

この時代、覚える必要はないはずです。

私たちもアップデートしないと。

 

でも、電話応対の研修をやめればいい、とは

私は全く思いませんよ。

 

人によっては、無駄で

くだらないと思うマナーがたくさんあります。

でもね、

マナーにうるさい人もまだまだ多いです。

普段は意識し過ぎる必要はないけど

無用のトラブルを起こさないためにも

一応、覚えておいて欲しいです。

 

…と、新入社員に、にっこり笑って教える。

 

「最近の若者は…」と嘆く昭和世代と

「無駄なことばっかり…」と嘆く令和世代を

笑顔で橋渡しをする気持ち、

笑顔でいられる心の余裕みたいなものが

私たち平成世代には求められているのかな。

 

この本を読んで、そんなことを感じました。

繰り返し読みたい良書です。