上場っていったい何なのか
以前、上場は金になると書きましたが
ここまで、企業業績や実体経済と
株価が連動しない状況を見ていると
上場っていったい何なんだろうね
と、考える機会が増えてきます。
東証は、自社のウェブサイトに
以下の上場のメリットを挙げています。
これを見ると
①資金調達の円滑化・多様化
②企業の知名度の向上
③社内管理体制の充実と従業員の士気の向上
と書いてありますね。
うーん。どうでしょう。
①は正直よく分かりません。
銀行に限って言うと
融資審査においては、実態として
上場しているかどうかよりも
財務・収益が安定しているかの方が
重視されているように感じます。
ぽっと出の新興企業や
どんどん規模を拡大している上場企業よりも
地道にやってる中堅企業のほうが
銀行には好かれそうなイメージ。
だから不景気で
中小企業がバタバタ潰れていっても
地銀は潰れないのでは…(と軽く嫌味)。
②は間違いでしょう。
3千社を超える数の既上場企業がある中で
新規上場しただけでは知名度は上がりません。
例として、2019年のIPO企業一覧を
見てみましょう。
2019年は、比較的知名度の高い企業の
多い年だったと思いますが
それでも
「3社に1社くらいしか知らない」
という人は多いんじゃないでしょうか。
③の「社内管理体制の充実」が
私の思う上場の一番のメリットです。
会社が永続的に繁栄、発展するためには
経営に対する「第三者のチェック」が
絶対必要だと思うんです。
もちろん第三者のチェックがあったとしても
不正が起こってしまうことはあるんですが
大半の上場企業は
第三者のチェックがあることで
かなり質の高い経営ができると思います。
ちなみに、ここで言う「質の高さ」とは
数値的な整合性、不正のない財務報告はもちろん
企業が生き残り続けるための
経営面の質の高さのことを言っています。
でも、③を最大の目標に、上場しよう!と
頑張ってる会社は少ないんじゃないでしょうか。
今の時代、上場が社員の士気向上に
繋がるとは思えませんし。
でも、結果的にそうなればいいな、と
考えている経営者は多そうです。
上場っていったい何なのか。
私は「企業が生き残るための手段」だと
思っていますが
皆さんのお考えはいかがでしょうか。