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ブログ移転しました。

家づくりについて:資金計画

いよいよ家づくりが大詰めです。

家づくりについて考えたことや

こうしたら上手くいったよ、ということや

こうしたら失敗したよ、ということなどを

書き留めていこうと思います。

 

まずは資金計画について。

 

早速ですが

ご家庭によってそれぞれ

家計の状況は違いますので

家の間取りと同じように、

「これがベスト!」と

言えるものがありません。

 

ただ資金計画は私の専門分野ですので

何か言わないとね、という思いもあり

必死で考えました。

 

そして

これは確実に言えるだろう

というものが

いくつか出てきましたので

ご紹介しておきます。

 

ボーナス払いは使わない。

このご時世「ボーナス払いなし」は

当たり前なのかと思いきや

そんなことないみたいですね。

 

大手企業、上場企業にお勤めの方は特に

「賞与が出るのは当たり前だ」と

無意識のうちに

インプットされている方が多いようで

何の疑いもなく

「ボーナス払いあり」を選ぶとか。

 

でも。

場合によっては危ないことになります。

 

ちょっと考えてみましょう。

ボーナス払い分を各月に均一にならして

毎月の貯蓄を返済に回した場合、

手取り額でも支払は可能ですか?

 

A. 毎月の手取りで支払可能

貯蓄額なり出費なりを減らせば

毎月の手取内で支払可能。

…であるならば、

「ボーナス払い」をやめることを

検討してはどうかと思います。

 

たぶん

毎月のキャッシュフロー

家を買う前と同じにしたい

という気持ちがあると思うのですが

 

ボーナスを当てにした返済計画は

リスクが大きいですし、何より、

精神衛生上よくないです。

 

もし、何らかの都合で

転職や休職を余儀なくされた場合、

社会保障による収入は期待できますが

社会保障には当然、

「賞与支給月」の概念はありません。

 

勤め先が変わったり収入が途絶えたりと

ただでさえ心情が不安定な時。

まとまったお金が出ていくのは

できるだけ避けたいところです。

 

いま、積立型の貯蓄・投資や

貯蓄型の生命保険に加入している方は

ちょっと面倒ですが

ボーナス払いを無くして、

その分、ボーナスを貯蓄に充てるように

キャッシュフローの見直しを

かけてみてはいかがでしょうか。

 

B. 毎月の手取りで支払不可能

ボーナス払い分を月割りしたときに

毎月が赤字になる場合は

返済計画、または借入金額に無理がある

と言わざるを得ません。

 

借入金額を減らすか

返済年数を伸ばすか、どちらかの

手立てを講ずる必要があります。

 

どんな業種・職種でも

不測の事態で、一気に破綻することが

コロナ禍ではっきりしました。

収入が絶対減らない仕事なんて

ないと思った方がいいです。

 

かと言って、リスクばかり考えていては

ローンなんて一生組めません。

 

まずは毎月の手取りだけで

返済できる額まで

頭金を貯めるか

住宅購入の予算自体を減らす

ことをお勧めします。

 

昇給はないものと考える。

「xx年後には手取り〇万円になる」

というような

昇給を見越した返済計画は危険です。

 

コロナ禍で、そんな考えの人は

一掃されたのかと思っていましたが

最近、身近にそういう声を聞いて

まだまだ危機意識が薄いどころか

楽観的な人が多いことに驚きました。

 

「昇給はなくても減ることはない」

こういう考え方も危ないですね。

ひと昔なら考えられなかったことですが

今の日本では当たり前に起こり得ます。

 

ただ、上にも書いたように

リスクのことだけ考えるのなら

そもそも家なんて買わない方がいいし

ローンなんて組まない方がいい。

 

それでも家が欲しい。

だから住宅ローンを組むわけです。

 

今の収入のままで、余裕をもって

返済できる計画を立てるべき

です。

 

なぜこの2つを挙げたか?

「ボーナス払いは使わない」

「昇給はないものと考える」

この2つを挙げた理由は

 

今、手取りでもらえる月給額が

私/あなたの実力だからです。

 

ボーナスの原資は、

会社業績に左右されるので

私個人の実力では

どうしようもありません。

 

私の実力が伸びていけば

収入は増えるはずなんですが

会社が、より優秀な人を

採用するようになれば

私は用無しになってしまいます。

 

その時は転職をしないといけませんが

単に実力をキープしていたのでは

元いた会社と同じ価値では

買ってくれないでしょう。

 

なぜなら、歳をとっていくからです。

 

企業勤めをする以上は、

年齢や経験を重ねていくなりに

できることも増えていかないといけない。

 

30代を超えると

今日よりも明日の方が

できることが増えて、はじめて

今日と同じ評価を得られる。

 

いつまでも

「日本は、そうは言っても年功序列

という気持ちでいては

長い返済計画には耐えられません。

 

15年、20年経ったらまた、

企業を取り巻く環境は

大きく変わっていると思います。

 

なんだか最後はちょっと

話が逸れかけてしまいましたが、

要は

今の実力に見合った返済計画を立てて

無理や楽観視はしないように。

ということです。

 

当たり前と言えば当たり前ですが

どうしても気が大きくなりがちな

家づくりです。

現実をしっかり見るように

注意し過ぎるくらいでいいと思います。