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新入社員/若手社員向け、ダメな会議とその対処策 ~前編~

GWが終わりますね。

多くの企業では

新入社員の研修が終わり、

いよいよ各部署に配属される時期。

新入社員の研修として

OJTを採用する会社が多いですが

「まずは会議に出て、勉強してね」

というのはよくケースだと思います。

 

「会議に出て話を聞く」は、いいOJT

会議では、とにかく話を聞く。

議論の内容がわからなかったこと

聞いたことのない専門用語などあれば

メモをして、後で上司や先輩に聞く。

これも立派な研修、OJTです。

 

会議に出ていると

今、何がホットな話題で

どんな問題が起こっているのかという

部内の仕事の状況や

この人はこういうポジションで

こういう仕事をしているんだな、という

部内の人の状況が

徐々に分かってきます。

 

OJTやる側としては楽ですし

新入社員からすると

ちょっと遠回りに感じるかもしれませんが

広く基礎知識を得られるので

いい座学研修だと私は思います。

 

さて、本題。

いろんな会議を経験していると

無駄な会議やってるなぁ

と、思うこともあると思います。

 

昔から、ダメな会議を表す格言に

会せず、会して議せず、議して決せず、決して行わず、行ってその責を取らず

という言葉があります。

(格言、でいいのかな?慣用句?)

 

30代以上のビジネスパーソンなら

誰でも一度は聞いたことがある、

それぐらい有名だと思います。

 

「いい会議にするには」は

世の中にたくさん書籍があるので

そちらを参照していただくとして

 

「悪い会議」とは

具体的にどういうものなのか

そして

それはどこに原因があるのか

を、この格言を基に考えようと思います。

 

新入社員の皆さんが

これから会社勤めをしていく上で

何十回、何百回出会うであろう

「クソみたいな会議」

を、少しでも減らせますように。

 

①会せず

・わざわざ集まらなくてもいい会議

「別業務が立て込んでいて…」とか

「その日は出張が入ったので」とか

何かと理由を付けて会議を欠席する人って

結構多いんです。

 

もちろん

1ヵ月以上前に会議日程が決まっていて

出席要請も出しているにもかかわらず

直前に「来客が…」などと言って

欠席する人は、その姿勢に問題あり。

 

ただ、そもそも

「別に集まらなくても良くない?」

という無駄な会議も、会社には多い。

それに気付くはずです。

 

例えば

「資料配るから、それ読んどいてね」

とか

「何か意見あったら後でメールください」

みたいな会議。

わざわざ集まってやる必要は

全くありませんよね。

メール1通、送れば済む話です。

 

・繁忙期に呼ばれる会議

自分の部署が忙しい時期に

会議予定を組まれることもあります。

例えば、営業や経理にとって

月末や期末は繁忙期なんですが

その時に

「ペーパーレスに関する会議」

みたいなのに呼ばれると、腹が立つ。

 

もちろん大事な議題なのはわかるけど

こちらが繁忙期であることを

全く知らない人が開催する会議なので

必然的に、こちらの業務に

ほとんど関係ない話題なのは

目に見えています。

 

自信をもって言いましょう。

本業に支障が出るような会議は

出なくても大丈夫です。

きちんと理由を説明して

「後で議事録ください」って

言っておけばOKです。

 

ただ、出席依頼が来た時点で

すぐに断っておきましょう。

そうしないと「会せず」の悪の

張本人になってしまいます。

 

ちなみに、絶対に出て欲しいのであれば

主催者から

「誰か代理人の出席をお願いします」

と言われるはずです。

そう言われないのであれば

特に意見を求められない会議なので

欠席しても全く問題ないと思います。

 

②会して議せず

・何を議論していいのかわからない会議

主催者が、どういう意見が欲しくて

出席者を集めているのか

出席者側には全く分からない。

こういう会議、多いんです。

 

私は経営企画担当なのですが

いろんな部署の会議に

オブザーバーとして

参加を求められることがあります。

大体このケースです。

たとえば…

営業の効率を上げたい。
だから顧客管理ソフトを導入したい。
でも現場からは
入力の手間が増えるという反発もある。
管理コストもかかる。
どうすれば解決できるのか。

…というような会議。

 

「そうですか、大変ですね。

 でも、がんばってくださいね」

と、言うしかありません。

 

だって、私のような部外者は

他部署の実務に意見できる立場にない

ですからね。

顧客管理がどれだけ大事か

入力の手間がどれだけかかるか

部外者には、知るすべもありません。

 

・目的がはっきりしない会議

上によく似ているんですが

こっちはもっとタチが悪くて

主催者自身も

何のために開いているのか

目的がわからない

というような会議があるんです。

嘘みたいですが、本当の話です。

しかも、結構多いんです。

 

主催者側から資料の説明を

ひととおり受けた後で

「で、今日は何を話すんですか?」

と聞くと

「えーと…とりあえずは

 忌憚ない意見を聞かせてもらえたら」

みたいな答えが返ってくる。

 

そもそも何を目指しているのかが

わからないので

参加者から有意義な意見なんて

出るはずがありません。

できるのは、せいぜい資料のダメ出し。

 

何の目的で集まるのか。

何を決めるのか、あるいは

何を情報共有したいのか。

事前にこれらを聞かされない会議は

大概「会して議せず」終わります。

 

③議して決せず

・「アイディア出し」と「ブレインストーミング(ブレスト)」

新入社員の皆さんも、しばらくすると

「アイディア出し」や

ブレインストーミング

俗に言う「ブレスト」の会議に

呼ばれる機会が出てきます。

www.elite-network.co.jp

 

簡単に言うと

自由闊達に意見を出し合う会議

なのですが、これらは要注意です。

アイディア出しやブレストの原則は

その場で結論を求められないことです。

 

例えば

「見積書作成業務の効率化」

というお題があったとして

新入社員からベテラン社員まで

自由に意見を出し合います。

 

仕事である以上は

「見積書作成業務が効率化できた姿」

という目標・完成形に向かって

進めなくてはならないのですが

いつまでも「決せず」、

結論が出ないことがしばしばあります。

 

というのも

ブレスト好きの人が主催する会議って

「いつまでもブレストやってる会」

に陥りがちなんですよね。

(7割がた、個人的な偏見ですが。笑)

 

ゴールに至るためのアイディアは出るけど

それを実行に移す具体的な方法は

ブレストでは決められません。

 

また、アイディア出しを終わらせる

タイミングを決めておかないと

いつまでも絞り込めません。

 

アイディア出しやブレストは

あくまでもゴールに向けての

「発想」に過ぎない

ということを覚えておきましょう。

 

・決定できる権限を持った人がいない会議

そもそも

決定権を持った人が

一人も出席していなかった。

だから、何も決まらなくて当然。

…ということも、時々あります。

 

自由に、本音を話し合って欲しいから

という理由で、わざと上司が出席せず

若手社員や、現場の担当者だけで

会議を開くケースがあります。

「決せず」はこういった会議に多いです。

 

確かに、上の人がいないので

普段言いにくいことも言えますし

今の実務がわかる人同士で話すと

議論が早いというメリットがあります。

一方で、ただの愚痴の言い合いで

終わってしまうこともしばしば。

 

何らかの結論を出したいのであれば

どんな会議の場でも

いわゆる「ファシリテーター」を

設定しておくことが大事です。

jinjibu.jp

 

・情報共有が目的の会議

「会して議せず」の項で

さらっと書いてしまいましたが

会社の会議って

何かを決定する会議ばかりではなく

「情報共有」が目的の会議

も、頻繁に行われているんですね。

 

例えば

資料を読んでもらうだけでは

誤った伝わり方をするかもしれない。

あるいは予備知識の違いから

部署や個人によって

理解度に差が出るかもしれない。

 

そういう心配がある場合は

対象者を同じ場に集めて

相手の反応を見ながら説明をした方が

むしろ効率が良いことが多いです。

 

ということで

「何かを決めること」ばかりが

会議の目的ではありません。

「決せず」の状態が

必ずしも悪とは言えない会議もある

ということは覚えておいてください。

 

④決して行わず

・担当者と期日を決めない会議

これは、会議の進行役の責任です。

「誰が、いつまでにやるか」

まで決めておくのは、会議のみならず

仕事の進め方の、基本中の基本です。

 

担当者に対しては

定例で進捗報告を求めましょう。

「検討中」とか「実施中」という進捗なら

「いつまでに終わらせるか」を

必ず報告してもらいます。

 

期日通りに物事を進める上では

大まかなスケジュール管理に加えて

ひとつずつの細かい仕事についても

「誰が、いつまでにやるか」を

絶対にうやむやにしない

ことが大切です。

 

⑤行ってその責を取らず

これですよ。

実務上これが一番多いんですよね。

 

「誰が責任を取るのか」

これは難しい問題なので

次の記事にしましょう。