2018年出版の本です。
『TURNS』という
U/I/Jターン希望者向けの雑誌に
ウチダ先生が寄稿した記事をもとに
加筆した本、だそうです。
今回も図書館で借りました。
タイトルが面白そうだったので
手に取ったら
大好きな内田樹氏の本だった
という、運命の出会い。
ウチダ先生ファンは必読。
いやー久々にこういう類の本を
二晩で読み切りました。
まぁウチダ先生ファンにとっては
『人口減少社会の未来学』でも言ってたよね
という感じで
既視感があるというか
目新しい論述は特になかったのですが
雑誌の読者向けに書いているので
全編・全論にわたって
地方移住を応援する内容になっていて
面白いです。
他の本とちょっと毛色が違うと言うか。
秀逸なのは最後の章。ここだけでも読んで欲しい。
全編、面白いのですが
特に良いのが、最終、第14章の
脱「査定」
これから君たちはどう生きるのか?
です。
地方より東京に憧れ、ローカルよりグローバルに憧れるのは、別に世界で羽ばたきたいからではありません。この社会内における自分の客観的な立ち位置を知りたいからです。自分がどこで、どれくらい通用するかを知りたいという知的な欲望ゆえなのです。(p.258)
現代の若者たちが規格化・同質化しているのは、別に彼らが気質的に凡庸だからではありません。自分の正確な社会的ポジションを知りたいというひたむきな願いゆえに、彼らは数値的差異以外には他の若者と見分けがたい個体識別不能のものに自ら進んでなっているからです。(pp.259-260)
うわー目から鱗。ぽろぽろ。
確かにそうやわ。
でもこれって
若者に限った話ではないかも。
若者が競うのは
スマホ画面上の「いいね!」の数や
友達の数だったりするのですが
40代や50代が
時計やスーツやゴルフクラブとか
子どもの習い事とか進学先を
自慢するのと大して変わりません。
結局すべて、値段や偏差値といった
数値的差異がベースですもんね。
終わりに。
仕事や子育てなどについて
モヤモヤしている都会の人は
とりあえず
読んでみると良いと思います。
雑誌の『TURNS』も面白そうですね。
一回読んでみよう。
ということで、星4つ。