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説明不足の大阪都構想

大阪都構想の投票が終わりました。

私も元・大阪市民として注目していました。

 

私が大阪都構想に反対していた理由。

私は、今回(2020年)も、5年前も

都構想に反対していました。

反対の一番の理由は

そもそもの問題点が見えないからです。

 

問題とは

「あるべき(ありたい)姿と現状のギャップ」

なんです。

 

あるべき姿になりたいが

なにか障壁があって、なることができない。

その障壁が「問題」であり

それを取り除く方法が「解決策」なんです。

 

大阪都構想は「解決策」です。

私たちは解決策だけを見せられていました。

 

大阪が将来ありたい姿は、どんな形なのか。

そうなるためには何が障壁としてあるのか。

その「問題」を大半の大阪府市民、

広くは日本国民が理解できていません。

 

これは、維新の会の説明不足です。

もっと市民に向けた

わかりやすい説明が必要でした。

 

特別区制度以前に、「区」の存在意義がわからない。

私はかつて

住吉区中央区に住んでいましたが

そもそも「区」の存在意義が

いまいちよくわかりませんでした。

また私だけでなく、

多くの住民がそう感じているはずです。

 

大阪市の現状の区割りでは

独立した自治体と同じような行政の役割を

持たせるには、小さ過ぎるんだと思います。

 

そういう意味では

特別区のアイディアは優れていると私は思います。

 

しかしながら

そもそも今回の投票は

制度を変えるための投票であって

何をするかまで決める投票ではない

ということは、先にも述べた通りです。

 

繰り返しになりますが

大阪都構想が実現したらどうなるか

まだ具体的には決まっていなかったんです。

(そのことすら知らない人も多かった)

 

大体こんな感じになるんやろなーっていう

イメージが湧かないまま

ほいほい賛成・反対を決められません。

賛成派も反対派も

そこの説明が甘かったわけです。

 

ざっくりでいいから

ありたい姿を見せて欲しかったです。

 

会社員なら当たり前にやっていること。

我々会社員が、人に問題点を説明する時に

意識して(無意識のうちに?)

やっていることがあります。

 

一番太い、幹となっている問題は何か。

枝葉となっている問題は何か。

原因はどういったことが考えられるのか。

解決するには、どういう手段があるのか。

多くの手段の中から、なぜこれを選ぶのか。

 

現状の課題を、経営者や現場の人に

理解してもらうためには

上のような説明を意識しないといけません。

 

簡単に言うと

相手によって言い方、見せ方を変えながら

問題点を分かりやすく説明する

ことが必要です。

 

それを、今回は賛成派、反対派どちらも

全然できていなかったように感じます。

もし、これが民間企業の

経営企画担当だったとしたら失格レベル。

お話になりません。

 

前提条件の間違いを認識すべき。

投票の結果

10代、20代の反対が多かったことから

「若い世代は都構想に賛成多数」

という維新の考えは

間違っていたことがわかりました。

 

また、60代以上でもかなりの数の

都構想賛成派がいることも

はっきりしました。

これは自民・維新ともに間違えていた。

 

つまり

そもそも争点を作り出すための

前提条件を間違えていた

この事実は両党とも反省しないといけない

と思います。

 

性別や世代、支持政党に括られない

大阪市民としての思い、

真の民意というものがあったわけです。

 

改めて、大阪の有権者のレベルの高さを

感じることができました。

 

おわりに。

いずれにしても、時間がたてば

今回の投票の分析が出てきます。

大阪市民の、真の民意は何だったのか。

維新の会には、そこを明らかにして

よりよい大阪を作っていってもらえたら、

と思います。