Aporia

ブログ移転しました。

家づくりについて:外構は「メンテナンス性」重視で考えましょう。

少し間が空いてしまいましたが、前回の記事で、外構工事は費用よりも見た目よりも

「メンテナンス性」を最重要視すべき

だと書きました。

aporia.hatenablog.jp

 

今回は、この理由と、対策を書いていこうと思います。

 

管理がだんだん面倒になってくる。

お庭を作った当初は、剪定とか水やりとか草むしりとか掃除とか、とにかく植物と触れ合うことが楽しくて色々やるんですけど、それが2、3年もすれば、だんだん面倒になってくる。そう。それが人間です。

 

私の勤めている会社でも

  • 草むしりが大変なのでコンクリにしたい
  • 剪定が大変なので木や生垣を撤去したい

というご依頼をいただくことが多いです。

 

草むしりが大変だから、とか、剪定が大変だから、という理由を聞くと、ご年配のお宅を想像されるかもしれません。でも、リガーデンのご依頼をいただくご家庭は、感覚としては築10年以内のお宅が3割、築20年以内のお宅で6割といったところ。

反対に、ご高齢の方からのご依頼はほとんどありません。親御さんが病院や施設に入られたり、残念ながら亡くなられたりして、お家を相続された息子さん・娘さんから「維持管理できないので木を伐り払って欲しい」というご依頼をいただくことが残りの1割、といったところでしょうか。

これは、私も意外でした。

 

昔は「門かぶりの松」と「柘植の生垣」を植えるのが定番でした。特に松なんかは、素人にはなかなか上手く剪定できませんから、造園屋さんもたくさんいましたし、需要もあったと思います。

それが時代とともに、日本庭園(あるいは日本庭園風のお庭)が減り、造園屋さんも減ってきたんでしょう。令和の時代、既にもうほとんどのお宅で、手のかかる(≒お金のかかる)お庭はなくなっているのが実態です。

 

外構・造園工事をする時に知っておいて欲しいこと。

でも、築20年以内のお宅からリガーデンを頼まれたときに、明らかに、これは植樹や外構工事をする時に業者が教えてあげないとダメだろう!と思うこともあります。

知らずにお庭を作ったら、そりゃ「聞いてないし、面倒くさい」ってなるよ、と思うことが色々あります。下に例を挙げてみましょう。

 

①木は大きくなるよ

木は生き物です。成長するのは当たり前です。でも

「剪定は必要ないと聞いた」

と、おっしゃる方が多いです。いや、多すぎます。

確かに成長の遅い木もあります。でも「成長しない」わけではありません。あくまでも、ほかの植物と比べて成長が遅いだけ。

そもそも、住宅地というのは日当たりの良いことが多いです。当たり前ですよね。そんな良い環境に植えられた植物は、ぐんぐん伸びます。「メンテナンスが一切要らない」わけがありません。

 

②常緑樹も葉を落とすよ

「常緑樹=一年中葉が落ちない」という誤った思い込みでたくさん植えてしまったばっかりに、「意外と落ち葉の掃除が大変…」と、おっしゃる方は多いです。

常緑樹にも色々種類があるのですが、古くなった葉を落として新しい葉に生え変わるため、頻繁に葉を落とす種があります。その場合、掃除は面倒です。

一方、落葉樹は、春に芽吹いた葉が、秋に紅葉して、一気に落ちます。一気に葉を落とすので、掃除は年に数日だけで済む(ただし、その期間は毎日掃除が必要)というメリットがあります。

 

③防草シート+砂利の効果は意外とすぐに切れるよ

もうひとつ、相談されることが多いのは「防草シート敷いているはずなのに、最近、雑草がどんどん生えてくる」というもの。防草シートにも耐用年数があるということを忘れてはいけません。これは明らかに外構業者の説明不足です。

防草シートメーカーの方に聞いたことがあるのですが、防草効果は耐久性の高いものでも10年程度らしいです。また雨水や高温、上から踏まれることで、シートの劣化は避けられません。

劣化してしまったらまた張り替えたらいいんですが、面倒なのは上から砂利を敷いている場合です。と言うか、ほとんどのお宅が上から砂利を敷いてますよね。張り替えるには砂利を一度撤去する必要がありますが、その費用はかなり高いです。砂利を敷く工事費の数倍はかかると見ておいてください。

だいたい見積を出した時に「なんでこんなに高いんだ!」って怒られるんですよね。笑

 

ここで一応アドバイスです。絶対に避けるべきなのは、防草シートはケチって安物を使い、砂利は5cm未満しか敷かないこと。

5cm未満の砂利では、日光を遮ることはできませんし、防草シートへの負荷を抑えることはできません。砂利の上を人が歩くことでぼこぼこ穴が開いて、下手したら1~2年で雑草だらけです。

 

対策を考える。

こうなることを避け、メンテナンス性を重視するにはどうすればいいんでしょうか。

 

①まず、庭木は鉢植えで育てる

軽いノリで「やっぱりシンボルツリーは必要よね」とか「人気らしいし、これ植えようか」とか思って、木を植えようとしていませんか?

どうしてもこの木を植えたい!という、強い思いがない場合、今まで植物をきちんと育てたことがないという方には

まずは鉢植えで育ててみてはいかがでしょうか?

と、お勧めしています。

鉢植えだと、鉢のサイズで成長速度をある程度コントロールすることができます。1~2年経って、世話にも慣れて、もっと大きく育てたいと思う時が来たら、その時に地面に植え替えることをお勧めします。

 

②落葉樹を植える

我が家も今まさに落葉の時期を迎えていますが、やっぱり掃除は落葉樹の方が楽です。一週間ぐらいでドカッと散るので、その間だけきちんと掃除をすればいい。

かと言って、全部落葉樹だと、冬の間は殺風景になりますので「常緑樹:落葉樹=50:50」くらいがいいでしょうか。この辺は、地域性もありますので地元の造園のプロに相談してみてください。

 

③砂利敷きはしない

防草効果がそれなりにあって、導入コストも安い、おまけに防犯にもなり得る…という理由で、よく取り入れられる砂利敷きですが。

上で述べたように撤去したくなった時のコストや手間を考えると、砂利敷きは極力避けた方がいいのではないかと、個人的には思います。

初期費用が多少高くついてもコンクリート敷きにしておくか、予算をあまりかけたくない場合は真砂土仕上げにしておくことをお勧めします。真砂土だと、草は生えてはくるものの、そこまでひどいことにはなりません。

 

おわりに。

いかがだったでしょうか?

このブログにたどり着いた方は、今まさに、お宅の庭をどうしようか考えているところだと思います。

素敵な庭を長年維持できるよう、参考になれば幸いです。