Aporia

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新入社員/若手社員向け、ダメな会議とその対処策 ~後編~

前回は、ダメな会議を表す格言

「会せず、会して議せず、議して決せず、決して行わず、行ってその責を取らず」

に沿って

具体例を出しつつ

その対処策を考えてきました。

aporia.hatenablog.jp

 

今回はその続き。

格言の最後の

「行ってその責を取らず」

について、考えてみます。

 

そもそも仕事の責任とは。

ちょっと余談というか、前提の説明です。

 

会社内の組織は

仕事の責任部署を明確にするために

ルールを作っています。

一般的には「職務分掌規程」のような

規程を作っている会社が

多いのではないでしょうか。

 

見たことない!という方も

いるかもしれませんが

複数の部署がある会社には

たぶん整備されていると思います。

www.dodadsj.com

 

形式としては、上のサンプルのように

章のタイトルが

「営業部」とか「総務部」とか

部署や部門の名前になっていて

それぞれが行うべき職務が

箇条書きになっているケースが多い

かと思います。

 

で、どの部署の章にも

最後に

「その他、前各号に関連する業務」

と書いてあったり

 

どの部署が担当すべきか

はっきりしないものについては

「その他、社長特命の業務」

みたいな感じで

規程上は経営企画が担当に

なってたりして

責任部署に漏れがないように

作られているんですね。

 

ではなぜ「責任逃れ」になるのか。

職務分掌規程が整備されていて

それが守られているのであれば

「その責を取らず」という状況には

一見すると、なりにくいです。

 

でも、責任逃れは多くの会社で起こります。

それはなぜなのか考えてみます。

 

私の経験上

責任逃れが起こる確率が高いのは

「部門横断型プロジェクト」です。

 

働き方改革プロジェクト」

「ペーパーレスプロジェクト」など

部署の垣根を取り払って

社内を横断する形で業務が進められます。

取り入れている会社も多いと思います。

 

プロジェクト化のメリットには

いろんな部署から意見が出て

議論が活発になったり

情報共有がしやすいことから

推進のスピードが速まったりする

というのが挙げられるんですが

 

実はデメリットも多くて

日常業務とは別物なので

長期化しがちで、そのために

当初の目的を見失うことが多い

とか

本業が忙しくなってくると

仕事熱心なメンバーほど

参加が難しくなってくる

こともよくあります。

 

でも、そのデメリットの根源は

責任の所在が、「プロジェクト」という

正式な組織ではない

曖昧な枠組みにあるから

なんですよね。

 

例えばペーパーレスプロジェクトだと

生産現場の紙伝票を減らそう、とか

見積りはメールで送りましょう、とか

そういう内容の取り組みになります。

 

プロジェクトチームが指示を出し

それを実際にやる部署は

製造だったり営業だったりするのですが

本当にやるかどうかの責任は

担当部署は負わないわけです。

正式な指示系統である

会社や上司からの指示ではないですからね。

「みんなで取り組みましょう」

というスローガンレベルなわけです。

 

その一方で

プロジェクトのメンバーやリーダーも

責任は取りません。

「決めたことをやってくれない」

部署のせいにします。

 

で、プロジェクトの定例会議では

「なかなか取り組みが進まない」

「浸透させるにはどうすればいいか」

という話ばかりが繰り返され

本来の目的だった

「ペーパーレスの実現」が

いつの間にか忘れ去られてしまうんです。

 

プロジェクトに責任を取らせるには。

このようにならないためには

プロジェクトチームに

責任を負ってもらわなければなりません。

 

では、責任を取らせるにはどうするか。

・プロジェクトリーダーに裁量権を与える

・メンバーには責任に見合った報酬を支払う

という2つのセットがいいと思います。

 

だって、考えてみてください。

自分自身に裁量がないのに

責任を取らされるなんて

理不尽な話ですし

 

責任を負わされるにもかかわらず

給料が変わらない

(本業の評価しかされない)

というのも、おかしな話なんですよね。

 

裁量権と報酬。

これらが、いいバランスで与えられないと

人はちゃんと動きません。

 

だから、部門横断型プロジェクトで

何か課題に取り組むときは

メンバーには報酬を与える。

 

リーダーとなった人に対しては

裁量権を与えるとともに

メンバーの中で、特に高い報酬を与える。

これが必要だと思います。

 

前編・後編のまとめ。

それでは、まとめに入ります。

 

「会せず」の対処法

まずは集まる意味があるかを考える。

 

「会して議せず」の対処法

議論を促すのは主催者の仕事。

・何の目的で集まるのか

・何を決めるのか

・何を情報共有したいのか

これらは事前に出席者に知らせておく。

 

「議して決せず」の対処法

会議の目的・ゴールを明確にする。

会議のメンバーには

決定権のある人を必ず入れておく。

 

「決して行わず」の対処法

いつまでに、誰がやるかを

細かく決め、明らかにしておく。

これは仕事の基本中の基本。

 

「行ってその責を取らず」の対処法

実施する人、責任を取らせる人には

それに見合った裁量と報酬を保証する。

 

いかがだったでしょうか。

会議の主催者や

プロジェクトリーダーが

しっかり企画し、準備し

管理していかないといけない

ということが分かると思います。

 

ただ、改めて見ると

当たり前のことばかりです。

基本に忠実に

初心を忘れず取り組むことが

一番の対処策なんでしょうね。