Aporia

ブログ移転しました。

大学や大学院で学ぶことについての雑感

日本経済新聞の「経済教室」面に

掲載されている「やさしい経済学」欄。

毎回すごく楽しみにしています。

 

で、今(2022年6月)連載されているのが

わが母校、大阪市立大学大学院の

(こないだ大阪公立大学になりましたが)

経済学研究科の准教授、

黒田雄太先生が執筆されている

「教育が社会に与える影響」。

これがすごく面白いです。

 

黒田先生は、一般人が(先生も?)

気になる、教育と経済(つまりお金、所得)の

関係性を、アカデミックなデータを用いて

研究されているようで、興味深いです。

 

残念ながら、市販されるような書籍は

黒田先生はまだ出版されていないようです。

出たら真っ先に読みたいですね。

日経さん、お願いします。

 

この連載の詳しい内容は

日経新聞を読んでいただくとして。

 

文系・院卒の私が、子どもに伝えられること。

なんかね、最近の風潮が本当に嫌で。

「文系=金にならない」

みたいな言い方をされているわけです。

 

しかもそれが院卒なら尚更で

何の役にも立たねえ社会のゴミ

みたいな言われ方をするんですよ。

(現にされたこともあります。fxxk。)

 

実際、金にはならんかもしれん。

 

そうかもしれんのだけれど

私自身、文系出身、

しかも文学部という

「ド」文系出身なんですけれども

 

40歳を迎えようとしている今

一応、一生懸命働いて

家族を養えるくらいの稼ぎを

得ることができているわけで

 

そういう自分が

小さい声を上げるのも大事なのかもな

と思い、記事を書く次第です。

 

大学・大学院で学んだこと、とは。

まぁ正直言って

大学の4年間はずっと遊んでました。

 

一応ちゃんと単位は取ったし

「あの先生の授業は楽」

みたいな情報に流されることなく

自分の学びたいこと、

興味のある授業を学びましたが

 

それは10あるうちの3ぐらいで

5がサークル、2がアルバイト。

そんな感じでした。

 

そこで私が学んだのは

「世の中、いろんな人がいる」

ということ。

 

おいおい、受験勉強頑張って、

6年間、安くない授業料払って、それ?

と言われるかもしれませんが

 

「世の中、いろんな人がいる」

ということを知れたから

いま、自分は社会の中で

うまく生きていられるわけで

それは自信をもって言うことができます。

 

本で学ぶより、経験。

 

 

寺山修司さんの名著の

タイトルをパクるわけではありませんが

私は町に出て、よかったなぁ、と。

 

町、というのは

単に都会、街ということではなく

大学や大学院、

アカデミックな世界の中でも

広く実体験として

いろんなものを見て

いろんな人と出会い、話して

よかったな、と思うわけです。

 

若い時にそういう経験ができたこと。

これは金では買えません。

 

ほんで、文系の私が語れることとは。

私が長年、特訓をしてきたのは

自分の思っていることを

自分の言葉で、人に伝えること。

 

人の言っていることを

本やネットからちょっと拝借して

ペタッとするのもいいですが

 

やっぱり、自分の感情は

自分の言葉で語った方が

本当に言いたいことが言えるし

相手にも伝わっていると思います。

 

どっかで聞いたことある言い回しとか

名言じみた言葉って、

その辺のオッサンが語っても全然響きません。

 

言葉の力を、子どもたちに伝えることができる。

親としては

これができるだけでいいのかな

と思うわけです。

 

若い時に学ぶことの大切さと

学んだ感動を、他人に、

自分の言葉で伝えることができる。

 

それだけで学ぶ意味があるってことです。

 

今日は飲みながら書きましたので

いつもと違う感じになりましたね。

失礼しました。

日本人向けの広告物にわざわざ英語を使うのは、もう止めないといけない。

以前こういう記事を書きました。

aporia.hatenablog.jp

 

英語が使えないのに、「格好よく見えるから」という理由だけで書いてしまっている皆さん。こういうことになってるんですよ。と。

さをあなたの手に入れ

 

注:身バレしそうなのでここから若干創作が入りますが、8割がた事実です。

 

また「デザイン的」英語をやらかした。

私が勤めている会社では、いわゆる道路緑化のお仕事をさせてもらうことがあるんです。

で、会社のWEBサイト上に「当社は道路緑化が得意です」という、簡単な事業紹介ページのようなものを社内制作することになったんです。

 

私は企画時点だけ関与して、実際のページ制作は見てなかったのですっかり忘れていました。が、ある日、役員さん宛に「公開前に最終確認をお願いします」と、デモページのURLがメールで送られてきたそうです。

その役員さんが、ため息混じりで私のところに転送してくれたので、ページを見てみると…トップに素敵な画像が。

 

 

ENVIROMENT

 

たぶん「landscape」とか「townscape」みたいなことが言いたかったんだと思うんですが、問題はそこではありません。

 

そもそも綴り間違ってますよ

ENVIRONMENTですよ

N抜けてるよ

 

で、役員さんから「最後まできちんと責任を持つように」と、なぜか私が注意される始末。いやーん、意味わからん。

 

わざわざ外国語を書くな。

ちなみに画像を制作したのは、社内のデザイン担当。例の「デザイン的に」英語を使う方です。またお前か、と。

でも今回は、WEB制作担当も、営業担当も内容チェック済み。

こんな初歩的な単語の間違いに誰も気づかないという社内の英語力の低さは置いといて、こういうミスがあるからこそ常日頃から「わざわざ意味のない外国語を使うな」という話をしてるんです。

 

日本人が、日本語で、日本人向けに書いたページなんやから、英語を使う必要なんて全くないでしょう。しかも、そもそもここに言葉を書く必要性自体がないのに。

日本語に直すとこんな感じなんですよ?

 

環境

 

めっちゃダサい、というか怪しさ満点。日本語やけど、絶対に日本語話者ではない人が作ってる

さらに、今回は誤字なので、こんな感じかと。

 

還境

 

もはや意味がわからない。この会社には絶対に発注しませんよね。変です。怪しすぎます。

間違った外国語を書くというのは、これと同じことをしているんです。間違いに気付けないような人は、そもそも書くなよ、ということです。

 

もう一度言います。

最後に、もう一回だけ言わせて。

日本人向けに作るカタログ、WEBサイトの類に、わざわざ外国語を書くべきではない。

 

何かメッセージを伝えたいのなら

日本語で書け。

 

今回は実際にサンプルを作ってみました。英語が要らないってことがよくわかったと思います。みなさん、本当に、心から、お願いします。ねぇ。

『ローカリズム宣言 「成長」から「定常」へ』(内田樹著、デコ)読了

2018年出版の本です。

『TURNS』という、U/I/Jターン希望者向けの雑誌に、ウチダ先生が寄稿した記事をもとに加筆した本、だそうです。今回も図書館で借りました。

タイトルが面白そうだったので手に取ったら、大好きな内田樹氏の本だったという、運命の出会い。

 

ウチダ先生ファンは必読。

いやー久々にこういう類の本を二晩で読み切りました。

まぁウチダ先生ファンにとっては

『人口減少社会の未来学』でも言ってたよね

という感じで既視感があるというか、目新しい論述は特になかったのですが、雑誌の読者向けに書いているので、全編・全論にわたって地方移住を応援する内容になっており、その点では面白いです。他の本とちょっと毛色が違うと言うか。

 

秀逸なのは最後の章。ここだけでも読んで欲しい。

全編、面白いのですが、特に良いのが、最終、第14章の

脱「査定」

これから君たちはどう生きるのか?

です。

 

地方より東京に憧れ、ローカルよりグローバルに憧れるのは、別に世界で羽ばたきたいからではありません。この社会内における自分の客観的な立ち位置を知りたいからです。自分がどこで、どれくらい通用するかを知りたいという知的な欲望ゆえなのです。(p.258)

現代の若者たちが規格化・同質化しているのは、別に彼らが気質的に凡庸だからではありません。自分の正確な社会的ポジションを知りたいというひたむきな願いゆえに、彼らは数値的差異以外には他の若者と見分けがたい個体識別不能のものに自ら進んでなっているからです。(pp.259-260)

 

うわー目から鱗。ぽろぽろ。確かにそうやわ。でも、これって若者に限った話ではないかもしれませんね。

若者が競うのは、スマホ画面上の「いいね!」の数や友達の数だったりするのですが、40代や50代が、時計やスーツやゴルフクラブとか子どもの習い事とか進学先を自慢するのと大して変わりません。

結局すべて、値段や偏差値といった数値的差異がベースですもんね。若者だから、年寄りだから、というのではなく、現代の人間というのは、数値的差異を基に自分の立ち位置というか存在価値を測っているように思います。

 

終わりに。

仕事や子育てなどについて、モヤモヤしている都会の人はとりあえず読んでみると良いと思います。

雑誌の『TURNS』も面白そうですね。一回読んでみよう。ということで、星4つ。

締切を守らない人が多いのは県民性?

締め切りを守らない人が多い気がする。

Uターン転職で

四国に戻ってきてから

仕事の「締切を守らない人」

出会う回数が増えている気がします。

 

社内ならまだ許せることも多いのですが

社外の、しかもまだ

そんなに親しくない取引先の担当者も

締切を守らなかったりします。

正直、びっくりしています。

 

締切に遅れる場合の事前連絡がない。

少なくとも、今までは

期日に遅れそうであれば

「ごめん、木曜に間に合いそうにない。

 週明け、月曜午前中には出すから!」

などと

 

遅くとも期日の2~3日前には連絡して

延ばした期限内にはきちんと出す。

それが当たり前でしたし

それができないと

人間関係は成り立たないと思っています。

 

でも、今の私の周りは違います。

もちろん締切を守る人の方が多いのですが

守らない人はとことん守らない。

 

期日通りに出てくることはなく、

こちらから「今日が締切ですよ」と

連絡して、はじめて

「間に合わない、月曜まで待てる?」

などと、延期をお願いされます。

 

これ、督促をしないまま締め切りまで

ほっとくと、いつまでも出てきません。

 

締切を守らない人は四国に多いのか?

最初は、いま私が勤めている会社に

そういう人が多いだけかと思ったのですが

どうやら、そんなことはなく

先に述べたとおり

相手が取引先でも、平気で

締切をすっぽかすような人がいます。

 

いやいや、これは社風なんだろう。

とも考えたのですが

前職が四国の中途入社の社員は

締切を守らない率が高い。

 

これはもう県民性・地域性としか

考えられなくなってきました。

 

そもそも締切を守らない人の心理とは。

私は当然、締切を守るタイプなので

守らない人の心理というか

いったいどういう仕事の進め方をすれば

ここまで約束を破れるのか?

と、純粋に疑問に思ってきました。

 

色々調べて出会ったのが下の記事。

なるほどなぁ、と思いました。

ちょっと長いのですが

ぜひ読んでみてください。

cybozushiki.cybozu.co.jp

 

積み上げ思考か。なるほど。

確かに、締切を守らない人ほど

やたらと忙しそう。

そんなに仕事抱えてないはずやのに。。

と思うことさえあります。

 

恐らく、その人の中には

あれと、これと、それと…と

「すべきこと」が色々あるのに

そこに「差し込み案件」「突発対応」が

入り込んでいる状態なんでしょうね。

 

あと、締切を守らない人は

確かに「やりなおす」という仕事を

やっている時間が長い気がしますね。

 

締切を守れない人をどうしようか。

締切を守れない人をどうするか。

この記事を読んで

ゴールイメージが湧いていない、

だから、逆算もしづらいんだろうと

思いました。

 

特に経営企画というのは

形式の決まったものを作り出す仕事

(規程、会議資料など)

が、結構多いのですが

 

まず初めにその形式を考えるのは

俗に言う「0→1」です。

また内容が重視されますので

「見栄えのいいプレゼン」と違って

見た目でごまかすことができません。

 

また、一回で素晴らしいものができる

ということはほとんどなくて

運用しながらブラッシュアップしていく

性質のものが大半です。

 

締切までしっかり時間をかけて

作り上げるのではなく

3割くらい、あらすじができた段階で

依頼者や周りの人に見てもらう。

 

「OK、この進め方でいきましょう」

と、依頼者が納得してはじめて

完成に向けて取り掛かります。

 

個々人の分までゴールの形と

そこに至るまでの細かい目標を

提示してあげることが必要なのかな

と思いました。

 

で、本題に戻る。

本題の

「締切を守れないのは県民性なのか」

という問いの答えは見つかりません。

 

でも、感じるのは

生存競争が激しい都会と違って

田舎には、

命を脅かしてくるような敵が少ない

ので

良く言えば「のんびりしている」。

悪く言えば「危機意識が欠落している」。

 

生きていけるだけの

仕事があればそれでいい。

うちみたいな中小企業が

大きい会社に目を付けられて

食われてしまうことはないだろう。

 

そういう甘い考えを持っている会社が多い

な、というのは感じます。

 

はっきり言って

自分の好きな空気ではありません。

 

もう少し、研究してみます。

 

新入社員/若手社員向け、ダメな会議とその対処策 ~後編~

前回は、ダメな会議を表す格言

「会せず、会して議せず、議して決せず、決して行わず、行ってその責を取らず」

に沿って

具体例を出しつつ

その対処策を考えてきました。

aporia.hatenablog.jp

 

今回はその続き。

格言の最後の

「行ってその責を取らず」

について、考えてみます。

 

そもそも仕事の責任とは。

ちょっと余談というか、前提の説明です。

 

会社内の組織は

仕事の責任部署を明確にするために

ルールを作っています。

一般的には「職務分掌規程」のような

規程を作っている会社が

多いのではないでしょうか。

 

見たことない!という方も

いるかもしれませんが

複数の部署がある会社には

たぶん整備されていると思います。

www.dodadsj.com

 

形式としては、上のサンプルのように

章のタイトルが

「営業部」とか「総務部」とか

部署や部門の名前になっていて

それぞれが行うべき職務が

箇条書きになっているケースが多い

かと思います。

 

で、どの部署の章にも

最後に

「その他、前各号に関連する業務」

と書いてあったり

 

どの部署が担当すべきか

はっきりしないものについては

「その他、社長特命の業務」

みたいな感じで

規程上は経営企画が担当に

なってたりして

責任部署に漏れがないように

作られているんですね。

 

ではなぜ「責任逃れ」になるのか。

職務分掌規程が整備されていて

それが守られているのであれば

「その責を取らず」という状況には

一見すると、なりにくいです。

 

でも、責任逃れは多くの会社で起こります。

それはなぜなのか考えてみます。

 

私の経験上

責任逃れが起こる確率が高いのは

「部門横断型プロジェクト」です。

 

働き方改革プロジェクト」

「ペーパーレスプロジェクト」など

部署の垣根を取り払って

社内を横断する形で業務が進められます。

取り入れている会社も多いと思います。

 

プロジェクト化のメリットには

いろんな部署から意見が出て

議論が活発になったり

情報共有がしやすいことから

推進のスピードが速まったりする

というのが挙げられるんですが

 

実はデメリットも多くて

日常業務とは別物なので

長期化しがちで、そのために

当初の目的を見失うことが多い

とか

本業が忙しくなってくると

仕事熱心なメンバーほど

参加が難しくなってくる

こともよくあります。

 

でも、そのデメリットの根源は

責任の所在が、「プロジェクト」という

正式な組織ではない

曖昧な枠組みにあるから

なんですよね。

 

例えばペーパーレスプロジェクトだと

生産現場の紙伝票を減らそう、とか

見積りはメールで送りましょう、とか

そういう内容の取り組みになります。

 

プロジェクトチームが指示を出し

それを実際にやる部署は

製造だったり営業だったりするのですが

本当にやるかどうかの責任は

担当部署は負わないわけです。

正式な指示系統である

会社や上司からの指示ではないですからね。

「みんなで取り組みましょう」

というスローガンレベルなわけです。

 

その一方で

プロジェクトのメンバーやリーダーも

責任は取りません。

「決めたことをやってくれない」

部署のせいにします。

 

で、プロジェクトの定例会議では

「なかなか取り組みが進まない」

「浸透させるにはどうすればいいか」

という話ばかりが繰り返され

本来の目的だった

「ペーパーレスの実現」が

いつの間にか忘れ去られてしまうんです。

 

プロジェクトに責任を取らせるには。

このようにならないためには

プロジェクトチームに

責任を負ってもらわなければなりません。

 

では、責任を取らせるにはどうするか。

・プロジェクトリーダーに裁量権を与える

・メンバーには責任に見合った報酬を支払う

という2つのセットがいいと思います。

 

だって、考えてみてください。

自分自身に裁量がないのに

責任を取らされるなんて

理不尽な話ですし

 

責任を負わされるにもかかわらず

給料が変わらない

(本業の評価しかされない)

というのも、おかしな話なんですよね。

 

裁量権と報酬。

これらが、いいバランスで与えられないと

人はちゃんと動きません。

 

だから、部門横断型プロジェクトで

何か課題に取り組むときは

メンバーには報酬を与える。

 

リーダーとなった人に対しては

裁量権を与えるとともに

メンバーの中で、特に高い報酬を与える。

これが必要だと思います。

 

前編・後編のまとめ。

それでは、まとめに入ります。

 

「会せず」の対処法

まずは集まる意味があるかを考える。

 

「会して議せず」の対処法

議論を促すのは主催者の仕事。

・何の目的で集まるのか

・何を決めるのか

・何を情報共有したいのか

これらは事前に出席者に知らせておく。

 

「議して決せず」の対処法

会議の目的・ゴールを明確にする。

会議のメンバーには

決定権のある人を必ず入れておく。

 

「決して行わず」の対処法

いつまでに、誰がやるかを

細かく決め、明らかにしておく。

これは仕事の基本中の基本。

 

「行ってその責を取らず」の対処法

実施する人、責任を取らせる人には

それに見合った裁量と報酬を保証する。

 

いかがだったでしょうか。

会議の主催者や

プロジェクトリーダーが

しっかり企画し、準備し

管理していかないといけない

ということが分かると思います。

 

ただ、改めて見ると

当たり前のことばかりです。

基本に忠実に

初心を忘れず取り組むことが

一番の対処策なんでしょうね。

 

新入社員/若手社員向け、ダメな会議とその対処策 ~前編~

GWが終わりますね。

多くの企業では

新入社員の研修が終わり、

いよいよ各部署に配属される時期。

新入社員の研修として

OJTを採用する会社が多いですが

「まずは会議に出て、勉強してね」

というのはよくケースだと思います。

 

「会議に出て話を聞く」は、いいOJT

会議では、とにかく話を聞く。

議論の内容がわからなかったこと

聞いたことのない専門用語などあれば

メモをして、後で上司や先輩に聞く。

これも立派な研修、OJTです。

 

会議に出ていると

今、何がホットな話題で

どんな問題が起こっているのかという

部内の仕事の状況や

この人はこういうポジションで

こういう仕事をしているんだな、という

部内の人の状況が

徐々に分かってきます。

 

OJTやる側としては楽ですし

新入社員からすると

ちょっと遠回りに感じるかもしれませんが

広く基礎知識を得られるので

いい座学研修だと私は思います。

 

さて、本題。

いろんな会議を経験していると

無駄な会議やってるなぁ

と、思うこともあると思います。

 

昔から、ダメな会議を表す格言に

会せず、会して議せず、議して決せず、決して行わず、行ってその責を取らず

という言葉があります。

(格言、でいいのかな?慣用句?)

 

30代以上のビジネスパーソンなら

誰でも一度は聞いたことがある、

それぐらい有名だと思います。

 

「いい会議にするには」は

世の中にたくさん書籍があるので

そちらを参照していただくとして

 

「悪い会議」とは

具体的にどういうものなのか

そして

それはどこに原因があるのか

を、この格言を基に考えようと思います。

 

新入社員の皆さんが

これから会社勤めをしていく上で

何十回、何百回出会うであろう

「クソみたいな会議」

を、少しでも減らせますように。

 

①会せず

・わざわざ集まらなくてもいい会議

「別業務が立て込んでいて…」とか

「その日は出張が入ったので」とか

何かと理由を付けて会議を欠席する人って

結構多いんです。

 

もちろん

1ヵ月以上前に会議日程が決まっていて

出席要請も出しているにもかかわらず

直前に「来客が…」などと言って

欠席する人は、その姿勢に問題あり。

 

ただ、そもそも

「別に集まらなくても良くない?」

という無駄な会議も、会社には多い。

それに気付くはずです。

 

例えば

「資料配るから、それ読んどいてね」

とか

「何か意見あったら後でメールください」

みたいな会議。

わざわざ集まってやる必要は

全くありませんよね。

メール1通、送れば済む話です。

 

・繁忙期に呼ばれる会議

自分の部署が忙しい時期に

会議予定を組まれることもあります。

例えば、営業や経理にとって

月末や期末は繁忙期なんですが

その時に

「ペーパーレスに関する会議」

みたいなのに呼ばれると、腹が立つ。

 

もちろん大事な議題なのはわかるけど

こちらが繁忙期であることを

全く知らない人が開催する会議なので

必然的に、こちらの業務に

ほとんど関係ない話題なのは

目に見えています。

 

自信をもって言いましょう。

本業に支障が出るような会議は

出なくても大丈夫です。

きちんと理由を説明して

「後で議事録ください」って

言っておけばOKです。

 

ただ、出席依頼が来た時点で

すぐに断っておきましょう。

そうしないと「会せず」の悪の

張本人になってしまいます。

 

ちなみに、絶対に出て欲しいのであれば

主催者から

「誰か代理人の出席をお願いします」

と言われるはずです。

そう言われないのであれば

特に意見を求められない会議なので

欠席しても全く問題ないと思います。

 

②会して議せず

・何を議論していいのかわからない会議

主催者が、どういう意見が欲しくて

出席者を集めているのか

出席者側には全く分からない。

こういう会議、多いんです。

 

私は経営企画担当なのですが

いろんな部署の会議に

オブザーバーとして

参加を求められることがあります。

大体このケースです。

たとえば…

営業の効率を上げたい。
だから顧客管理ソフトを導入したい。
でも現場からは
入力の手間が増えるという反発もある。
管理コストもかかる。
どうすれば解決できるのか。

…というような会議。

 

「そうですか、大変ですね。

 でも、がんばってくださいね」

と、言うしかありません。

 

だって、私のような部外者は

他部署の実務に意見できる立場にない

ですからね。

顧客管理がどれだけ大事か

入力の手間がどれだけかかるか

部外者には、知るすべもありません。

 

・目的がはっきりしない会議

上によく似ているんですが

こっちはもっとタチが悪くて

主催者自身も

何のために開いているのか

目的がわからない

というような会議があるんです。

嘘みたいですが、本当の話です。

しかも、結構多いんです。

 

主催者側から資料の説明を

ひととおり受けた後で

「で、今日は何を話すんですか?」

と聞くと

「えーと…とりあえずは

 忌憚ない意見を聞かせてもらえたら」

みたいな答えが返ってくる。

 

そもそも何を目指しているのかが

わからないので

参加者から有意義な意見なんて

出るはずがありません。

できるのは、せいぜい資料のダメ出し。

 

何の目的で集まるのか。

何を決めるのか、あるいは

何を情報共有したいのか。

事前にこれらを聞かされない会議は

大概「会して議せず」終わります。

 

③議して決せず

・「アイディア出し」と「ブレインストーミング(ブレスト)」

新入社員の皆さんも、しばらくすると

「アイディア出し」や

ブレインストーミング

俗に言う「ブレスト」の会議に

呼ばれる機会が出てきます。

www.elite-network.co.jp

 

簡単に言うと

自由闊達に意見を出し合う会議

なのですが、これらは要注意です。

アイディア出しやブレストの原則は

その場で結論を求められないことです。

 

例えば

「見積書作成業務の効率化」

というお題があったとして

新入社員からベテラン社員まで

自由に意見を出し合います。

 

仕事である以上は

「見積書作成業務が効率化できた姿」

という目標・完成形に向かって

進めなくてはならないのですが

いつまでも「決せず」、

結論が出ないことがしばしばあります。

 

というのも

ブレスト好きの人が主催する会議って

「いつまでもブレストやってる会」

に陥りがちなんですよね。

(7割がた、個人的な偏見ですが。笑)

 

ゴールに至るためのアイディアは出るけど

それを実行に移す具体的な方法は

ブレストでは決められません。

 

また、アイディア出しを終わらせる

タイミングを決めておかないと

いつまでも絞り込めません。

 

アイディア出しやブレストは

あくまでもゴールに向けての

「発想」に過ぎない

ということを覚えておきましょう。

 

・決定できる権限を持った人がいない会議

そもそも

決定権を持った人が

一人も出席していなかった。

だから、何も決まらなくて当然。

…ということも、時々あります。

 

自由に、本音を話し合って欲しいから

という理由で、わざと上司が出席せず

若手社員や、現場の担当者だけで

会議を開くケースがあります。

「決せず」はこういった会議に多いです。

 

確かに、上の人がいないので

普段言いにくいことも言えますし

今の実務がわかる人同士で話すと

議論が早いというメリットがあります。

一方で、ただの愚痴の言い合いで

終わってしまうこともしばしば。

 

何らかの結論を出したいのであれば

どんな会議の場でも

いわゆる「ファシリテーター」を

設定しておくことが大事です。

jinjibu.jp

 

・情報共有が目的の会議

「会して議せず」の項で

さらっと書いてしまいましたが

会社の会議って

何かを決定する会議ばかりではなく

「情報共有」が目的の会議

も、頻繁に行われているんですね。

 

例えば

資料を読んでもらうだけでは

誤った伝わり方をするかもしれない。

あるいは予備知識の違いから

部署や個人によって

理解度に差が出るかもしれない。

 

そういう心配がある場合は

対象者を同じ場に集めて

相手の反応を見ながら説明をした方が

むしろ効率が良いことが多いです。

 

ということで

「何かを決めること」ばかりが

会議の目的ではありません。

「決せず」の状態が

必ずしも悪とは言えない会議もある

ということは覚えておいてください。

 

④決して行わず

・担当者と期日を決めない会議

これは、会議の進行役の責任です。

「誰が、いつまでにやるか」

まで決めておくのは、会議のみならず

仕事の進め方の、基本中の基本です。

 

担当者に対しては

定例で進捗報告を求めましょう。

「検討中」とか「実施中」という進捗なら

「いつまでに終わらせるか」を

必ず報告してもらいます。

 

期日通りに物事を進める上では

大まかなスケジュール管理に加えて

ひとつずつの細かい仕事についても

「誰が、いつまでにやるか」を

絶対にうやむやにしない

ことが大切です。

 

⑤行ってその責を取らず

これですよ。

実務上これが一番多いんですよね。

 

「誰が責任を取るのか」

これは難しい問題なので

次の記事にしましょう。

 

お父さんはなぜテレビを観ないのか、子供に聞かれて考えた

私はテレビを観ません。

私はテレビを観ません。

正確に言うと、観てはいるんですが、それは妻や子供が観ているから一緒に眺めているだけで、自分からテレビのリモコンを操作して、電源をONすることはありません。

 

独身時代は8年間ほど、家にテレビのない生活を送っていました。なぜテレビがなくなったかと言うと、「全く観ないから」という理由です。

テレビを後輩に譲るまでの2~3年、おそらく一回も観てなかった、つまり、10年以上観てなかったかも、というぐらいテレビは観ません。

 

最近は「若者のテレビ離れ」なんて言うけど。

そんな私ですが、ここ数年は「若者のテレビ離れ」という言葉もよく聞くようになりました。やっと時代が私に追いついてきたな…なんて思っていたのですが。

 

www.itmedia.co.jp

 

去年ようやく、ネットがテレビ超えだそうです。このニュース読んで

10代も平均70分以上テレビ観てるのか!

と、逆に驚いた次第です。まぁたぶん若い世代は飯食いながら、親が観てるテレビを一緒に観てる、というか視界に入ってるだけなんでしょうけどね。

 

今朝、子どもに聞かれたのよ。

前置きが長くなりましたが、ここから本題。

うちの長男(もうすぐ6歳)が、今朝、唐突に聞いてきたんです。

 

「とうさんは、なんでテレビみんのん?」

 

うーん。いざ聞かれると難しいですね。ちょっと答えに悩んでいると

 

「おもしろくないん?」

 

これに対しては、すぐに答えました。

面白いよ。父さんもせっかくグルメとジョブチューン(※注1)は好きやし、洋ちゃん(※注2)大好きやし、サンドイッチマンバナナマン好きやしね(※注3)、と。

 

※注1:子どもが好きな番組。

※注2:大泉洋

※注3:華丸大吉とナイツも好き。

 

「じゃ、なんでもっとみんのん?」

 

いやー。子どもの質問というのは鋭いです。面白いと思うのに、なぜ観ないのか。確かにその通りです。矛盾してますよね。

 

子どもから学ぶ。

しばらく考えて父が出した答えは

 

テレビというのは面白過ぎるんよ。観てたら、あっという間に時間経ってしまうやろ?父さん、やりたいこといっぱいあるし、もっと長いこと寝たいし、毎日時間足りんなーと思っとんのに、テレビ観てしもたら、ほかのことできんようになるんよね。

 

というものでした。ついでに

 

だから父さんはYouTubeとかプライムビデオとかもあんまり見んし、ゲームも持ってないんよ。

 

と言いました。

今まで深く考えてこなかったけど、たぶん、そういうことなんでしょうね。面白いからこそ、観ないんです。本当に、子どもの視点にはいつも学ばされますね。

ちなみに父の回答を聞いて、長男は

 

「ふーん。はやくごはんたべようよ」

 

と言って、部屋から出ていきましたとさ。