Aporia

ブログ移転しました。

疲れている皆さんへ

前に勤めていた会社での出来事。

ドアに社員証をかざすとピッと鳴って

セキュリティが解除されるタイプの

入口だったんですが

朝、遅刻ギリギリ(=いつも通り)出社すると

ドアの前に立ってる中年社員がいる。

 

この人、カードを忘れたんやなと思い

「どうぞどうぞ~入りましょう」と言って

私がピッとやってから

振り返って中年社員の顔を見ると

 

真っ青な顔で

作業着に染みるくらいの、すごい冷汗。

 

ちょっと面喰らいましたが

これはただ事ではないと思い

「とりあえずあっち行きましょう」と

入口の手前にある休憩スペースに

連れて行き、椅子に座ってもらいました。

 

とりあえず落ち着きましょう。

私も落ち着きます、と言い

ペットボトルの水を2本買いました。

 

水を飲んでもらって

2,30秒すると落ち着いてきたみたいで

その中年社員は

ようやく口を開いてくれました。

 

「すみません。ドアが開けられなくて」

 

以上、二度と忘れられないお話。

 

ドアが開けられなくなる。らしい。

あとから聞いたんですが

これ、結構よくあることみたいです。

 

朝は起きられる。

準備できて、家も出られる。

電車にも乗れる。

でも、会社のドアを開ける瞬間。

その瞬間が一番つらい。

でも一度会社に入ると、一日過ごせる。

 

確かにこういう人を

今まで何人も見てきました。

「最後」はだいたい

ドアが開けられなくなってしまいます。

 

会社のドアが開けられない。

その時にはもう、重症化してしまっています。

 

まだ大丈夫と思っている方。

早めに、誰かに相談してくださいね。

もうドアを開けるのがつらい方。

すぐに休んで、周りの信頼できる人か

専門の窓口に相談してください。

 

ことあるごとに思い出す。

三浦春馬さんのニュースを見て

ショックを受けると同時に

ふと、上の出来事を思い出したので

この記事を書きました。

 

生きていればいいことがある、なんて

無責任なことは言えません。

でも、生き物はみな

生きるためにうまれてきたのですから

できる限り、生きたいな、と

私は思います。

 

合掌。