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プランBと撤退基準を考えておく①

会社で計画書や企画書を読んでいると

大体がバラ色の計画で

プランBや撤退基準がないことが大半です。

 

プランBとは、簡単に言うと

「次の手」とか「第2案」のこと。

 

例えば、営業事務所を新設する企画。

 

商圏には既存顧客が年5千万円、

潜在市場が年5千万円あることは調査済。

当初は近隣の営業所からの異動により

2名体制でスタートする。

事務所の家賃は年間150万円かかるが

現状は出張対応しているエリアなので

年30万円の旅費交通費削減、

年20万円の横持運賃削減にもなる。

3年後には3名体制に拡大し

年商1億円を計画している。

 

こういう企画書は

皆さんの会社でも多いんじゃないでしょうか。

 

ま、経営企画に相談なく

重要会議でこういう案件が

担当部署から上がるということは

すでに経営層の同意を得ており

決定されることが既定路線なのですが

 

経営企画担当としてはもう少し

釘を打っておかねばならないわけです。

釘を打つとは、すなわち

プランBを考えてもらう、ということです。

 

企画書を読むと

起案者の都合よく作り上げられた条件が

いくつもあることに気付きます。

 

・既存顧客が年5千万円

額はキープなのか?

拡大・停滞・縮小、どの傾向にあるか?

競合に取られそうな得意先はないか?

 

・潜在市場が年5千万円ある

本当か?あったとして全部取れるのか?

競合は進出してこないのか?

 

・異動により2名体制でスタート

すんなり転勤に応じてくれるか?

単身赴任や期限付きにならないか?

待遇を上げる必要はないか?

 

・事務所の家賃は年間150万円

家賃以外のコストを考慮しているか?

開設コストはいくら?従業員はどこに住む?

 

・3年後には3名体制

もう1人は現地採用か?

どのタイミングで採用するのか?

 

結局、企画書なんてものは

作成者の意図どおり、つまり

上手くいくことを前提に書かれているわけで

全てその通りになるのであれば

業績不振の企業なんて世の中に存在しない

ということになりますよね。

 

キャッシュや人材に余裕のある会社なら

失敗を次に活かせばいいのですが

経営にはスピードが重要になっていることは

みなさんご承知のとおり。

 

失敗してから次の策を練っていては

時代に取り残されてしまいます。

 

何か新しいことを始める際には

プランBを考えておくことをお勧めします。

個人的には、できればプランCまで

用意しておくといいと思います。

つまり

 

A:条件どおり、うまくいった

B:条件の一部が変わったけど対処可能

C:条件の大半が変わってしまった

 

これら3つのケースを想定しておけば

どういうリスクが想定されるのか

洗い出しやすくなりますし

読んだ人も判断やアドバイス

しやすくなると思います。

 

ついでに言うと、この3つを想定しておくと

大半の企画がプランBに収束するもんです。

「完全に想定通りには進まなかったけど

軌道修正できて、まぁまぁうまくいったね」と。

それで万々歳です。

 

個人的にぜひ考えておきたいのが

「プランC」です。

これは言い換えると「撤退基準」。

中止するかどうか考える、ということです。

 

長くなってきたので、次回に続きます。