プランBと撤退基準を考えておく③
まさかのロングランになりました。
前回の記事では
なにか投資等の計画を立てる時には
撤退基準を明らかにしておくべき
ということを書きました。
そして撤退基準を設けるときに
私が大事にしていることは次の2点です。
①例外を作らない
②サンクコスト(埋没費用)は無視する
今回はこの内容について説明します。
そもそもどうやって撤退基準を定めるのか
という問題について。
下の記事は、新規事業の撤退基準について
書かれたものではありますが
非常によくまとまっていて
参考になりますので、ぜひご覧ください。
※残念ながらリンク切れとなりました。
これを踏まえて、私の考えです。
①例外を作らない
ここで言う「例外」とは
言い換えると「温情」あるいは「猶予」。
上の記事で言うと、リクルートのやり方は
お勧めしない、ということです。
これはリクルートのやり方である
「事業継続していくに値するだけの覚悟を
担当者たちは持てているのか?」を確認する
という方法が間違っている
と言っているわけではありません。
ただ、リクルートには優秀で
熱い人材が集まっているからこそ
このやり方が通用するんです。
みなさんの会社の担当者は
ここまでの決意・覚悟を持って
新規事業に取り組んでいますか?
現実を見ましょう。
目標数値に達していなければ
容赦なく撤退を決めるべきです。
担当者に熱意を求めてはいけませんし
「もうちょっと頑張ってみろ」は
単に担当者のストレスを強めるだけです。
投資の失敗は、経営判断のミスです。
担当者に温情をかけたいのであれば
その案件は一度撤退して
次にまた新しい案件があった時に
その担当者にもう一度任せるべきです。
②サンクコスト(埋没費用)は無視する
次は、サンクコスト(埋没費用)。
やめる、やめないに関わらず
回収できないコストのことです。
サンクコストについてはいろんな本やサイトで
散々語られていることなので
私が繰り返して言う必要はないですが
「そうはいっても、1千万円も使ったし…」
「後には引けないよねぇ」
と言う経営者の多いこと多いこと。
撤退を避けて継続してしまうと
もっと損失が広がる可能性が高いです。
さらに、別の案件に充てられたはずの
人、時間、費用を使ってしまうことになります。
オポチュニティコスト(機会費用)というやつです。
ただ、損をするくらいなら「何もしない」という
選択肢もありだと思います。
人と時間に余裕があるからといって
無理に別の案件を立ち上げても
そちらで利益が上がるかどうかはわかりません。
撤退するにしても
どの分野・範囲から撤退するのかを決めて
「続ける/止める」の二択にしないことも
重要な経営判断になってくる、ということです。
***
3回にわたって長々と書きました。
何かを新しく始める時には
プランBを用意しておくこと。
プランBとは
プランAが上手くいかなかった時にとる
「次の一手」。
可能であればプランC、つまり
撤退基準もしっかり考えておくこと。
撤退の基準は明確にして
例外を作らない。そして温情をかけない。
担当者に温情をかけるなら
別の新しいプロジェクトを任せること。
撤退の際は、埋没費用は無視。
別の投資へリソースを移すこと。
ただ、別の投資案件がないのであれば
無理に動かず、何もしないという選択肢もあり。
以上、私は
このような考え方で戦略や設備投資を
いつも経営陣と一緒に考えています。
現役最前線の経営企画のアイディアです。
一つの参考例として
みなさまのお役に立てたら幸いです。