Aporia

ブログ移転しました。

中小企業にロゴやキャッチコピーは不要

前回は中小企業にありがちな

ブランディングプロジェクトの

失敗例を挙げてみました。

aporia.hatenablog.jp

 

補足というか、おまけの雑記です。

 

数年前に、ある有名な

ブランドマネージャーさんの

講演を聴いたのですが

面白いことを言っていました。

 

・企業ロゴ、キャッチコピー、

 サウンドロゴといったものは

 それぞれ単体で機能するものではない。

 

・「ココロも満タンに」とか

 「お、ねだん以上」という文字を見ると

 メロディや社名がすぐ思い浮かぶ。

 あるいは

 「NIVEA」というロゴだけを見て

 商品を購入する。

 そのレベルに達して初めて

 ロゴやキャッチコピーが

 購買行動に影響を与えていると言える。

 

・あなたの会社に、

 そこまでできるお金はあるか。

 チャレンジする必要はない。

 どうせ効果は出ないのだから。

 

長年、中小企業のブランディング

成功と失敗を手がけてきた人。

だからこそ言えるセリフです。

「どうせ効果は出ない」って

気持ちいいですよね笑。

 

聴いていて、巷に溢れる

「なんちゃってブランディング

に対するモヤモヤが

スカッと晴れたのを覚えています。

 

つまるところ

中小企業にとって

ロゴやキャッチコピーはあくまでも

インナーブランディングの一貫である。

そう割り切った方がいい。

ということです。

 

「今風でオシャレなロゴになったね」

この感想を社内の人からもらえるだけで

大成功なんです。

それだけでいいんです。

 

キャッチコピーはいらない。

私自身は、キャッチコピーに至っては

作る必要すらないと思っています。

どうせ10人中10人、

全員が「いいね!」と言ってくれる

キャッチコピーなんて

誰にも作れるはずがありません。

 

しょうもないことに

時間とお金をかけるくらいならば

作らない方がマシです。

 

社内で公募すると

「確かな技術で明るい未来をつくる」

みたいに、どっかで見たことあるな、

というコピーになります。

 

外部業者に頼んだとしても

よっぽど力のあるライターが

担当についてくれない限り

質の低いコピーになることが

目に見えています。

 

質の悪いコピーの例。

 

カタカナ化+無意味な句読点。

意味不明かつ日本語として

ものすごく気持ち悪いコピー。

 

例「キモチ、アタタマル、水筒。」

 「ネジの、チカラ。」

 

で、何が言いたいの?と

言いたくなるコピー。

 

例「そこに情熱はあるか?」

 「ものづくりに発明を。」

 

駄洒落コピー。

 

例「ワイヤーと言えば、ワイや!」

 「幸服を作る仕事」

 

定番化して魅力のないコピー。

 

例「日本で2番目に○○な店」

 「○○宣言」

 「あなたの求める○○がここにある」

 

作るなら、 経営者自らが作るべき。

もし、どうしても

キャッチコピーを作りたいのであれば、

経営者自らが作ることをお勧めします。

 

「この会社は、何のために存在するのか」

 

一番よく分かっているのは経営者。

一番熱く語ることができるのも経営者。

 

思いを端的に

できれば15文字以内で

自分や従業員が理解できる

簡単な言葉でまとめる。

 

これだけでいいんです。

立派なキャッチコピー(タグライン)に

なるはずです。

 

ちなみに、ずっと同じものを

使い続ける必要はありません。

時代に合わせて

言葉や表現は見直していけばいいです。

 

注意しないといけないこと。

キャッチコピーは乱造しないことです。

1つの会社に、5個も10個も

コピーは要りません。

前回も書きましたが、一貫性が失われます。

 

ただ、やはりロゴデザインやコピーを

考えるのに時間をかけるぐらいなら

 

「この会社は、何のために存在するのか」

 

という、根本の部分を

改めて考える時間に充てるべきだろうと

私は思います。

 

そちらの方が、今後の会社のため、

従業員のためになるんじゃないか。

私はそう考えています。